Person04
Z.C
製品にこめた思いを工場に伝えて
具現化させる媒介者
中国の工場と緊密にやりとりする
生産管理の業務とは
Profile
生産管理
2022年入社(中途)
中国・福建省出身。大学院では週刊少年ジャンプのスポーツ漫画における女性の役割について研究。スポーツ漫画のほか、ジャンルを問わず楽しむマンガ好き。
中国の工場とやりとりし、
60〜70アイテムの製造を遅延なく管理
中国で暮らしていた小学生の頃から、日本のマンガやアニメが大好きで、日本語を勉強していました。マカオにある大学を卒業した後に日本に留学しました。明治大学大学院でポップカルチャーを専攻し、マンガやアニメについて研究していました。大学院卒業後、一度は別の業界に就職したのですが、やはり大好きなマンガやアニメに携わる仕事がしたいと、オミ株式会社へ転職しました。オミでは、入社以来ずっと生産管理の仕事を担当しています。
生産管理では、クライアント様から受注したOEM製品の生産に関して、中国の協力工場と色々とやりとりをしながら、見積もり・価格交渉・納期交渉・製造のスケジュール管理・品質チェックを行うという業務を行っています。新たな商品を生産することになったら、220社以上ある中国の協力工場の中から、その製品が作れそうな工場を3社選定し、そこに見積もり依頼を行います。見積もりが届いたら価格交渉、納期交渉をし、発注金額が決まったら入稿指示書を作成して発注をかけ、発注後はスケジュールに遅延がないか、日々確認を行っています。
生産管理の部署では、一つの商品を最初から最後まで一人が担当しています。私は現在60〜70点のアイテムを担当しているので、毎日いろいろな工場からメールやWeChat、電話などで連絡がきます。連絡の返信漏れはないか、どの製品もきちんとスケジュールどおりに進んでいるか、進行表に記入してチェックしながら生産に滞りがないように管理しています。生産管理のメンバーは中国出身者が多く、工場とのやりとりも中国語で行っています。価格交渉の際などは、知らない人が見るとケンカしているように思われるかもしれませんね(笑)。
得意分野はぬいぐるみ。
版元のこだわりをいかに立体化させるか
生産管理のメンバーは7人いるのですが、一人ひとりが得意分野を持っています。私はぬいぐるみが得意で、ぬいぐるみに関しては、生産管理のメンバーの中でいちばん詳しいと自負しています。ぬいぐるみを作る際はまず三面図を作るのですが、これが複雑なんです。キャラクターごとにおなかのふくらみ具合とか、髪の毛のボリュームなどが少しずつ違いますから。立体化する際には、そのキャラクターの魅力を再現して立体化させるため、細かいところまでこだわる必要があります。私たちは、そのこだわりを中国の工場にきちんと伝え、それを形にしてもらわないといけません。
以前、映画化もされたメジャータイトルのマンガのキャラクターぬいぐるみを作ったのですが、この時はかなり大変でした。何度サンプルを提出しても、クライアント様の監修が通らなかったんです。工場にも頑張ってもらったのですが、どうしても納得いただけなくて。何度かサンプルを提出した後で、実際にクライアント様の監修現場におうかがいし、「これ以上の再現は難しい」とご説明させていただくといったこともありました。その後、もう一度直しがあったのですが、最終的にはクライアント様にも納得いただける製品ができました。
ファンも多い作品ですから、クライアント様も版元様も、そのキャラクターをとても大事にされているということを実感しました。そうやって作者のこだわりを再現できるよう、細部までこだわって制作していくことで、ファンの方に喜んでいただける製品ができるのだと思います。何度もやり直すのはとても大変でしたが、その製品が無事にできあがって納品できたときは、本当にやりがいを感じましたね。
「一番の敵は自分」
不安要素を先回りして潰すことで、
未来の自分を楽に
生産管理の仕事は、スケジュールどおりに製品を作れるよう、先回りして不安要素を潰していくことが必要です。私自身、色々と先読みして考えてしまうタイプなので、色々と不安要素が浮かび上がるんですね。そういった不安要素には先に手を打っていくことで、オンスケジュールで生産を進められます。でも、たまに「あれ?あの手配、ちゃんと進めてたっけ?」「工場からの連絡に返信してたっけ?」と不安になることがあるんです。なので、進行管理表をきちんと更新して、忘れないように細かくメモしています。生産管理の仕事にとって、一番の敵は自分なんです。60案件を漏らさずに進めるためには、自分できちんと管理していかないといけないですから。過去の自分がちゃんとしていれば、未来の自分が楽になります。
入社3年目となり、生産管理のメンバーの中でも後輩が増えてきました。新人育成、指導なども任されるためになりました。かなり細かく指導するのでうるさいと思われるかもしれませんが、そうやって細かく見ていくことが、彼・彼女たちをピンチから救うことになると思って指導しています。
生産管理の知識はひと通り身についたので、今後は自分から製品の企画なども行っていきたいですね。オミはOEM製品の製造だけでなく、グループ会社でオリジナル商品の製造・販売も行っています。社内の風通しもよく、「これをやりたいです!」と手を挙げれば、チャレンジもさせてくれる社風があります。今後は、ファンの目線を持ちつつ、生産管理の知識を生かして、ぬいぐるみの新シリーズなども企画できたらうれしいですね。